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東京サステナブルシーフードシンポジウム2017〜レポート・パート1〜

10月27日、日経エコロジー主催のもと、今年で3年目となる東京サステナブル・シーフード・シンポジウム「魚から考える日本の挑戦Beyond 2020 –オリンピックレガシーを作り、SDGs達成を目指す」が開催されました。400名を超える方にお越し頂き、3年後に迫る東京オリンピックに向けて、また国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)実現に向けて、日本が取り組むべき方向性について、10時間にわたり熱い議論が交わされました。このブログでは、その熱い1日の様子をシリーズでご紹介します。

 

今年のシンポジウムは、日経エコロジーの田中太郎編集長による、海への愛があふれる挨拶で幕を開けました。

 

日経エコロジー編集長 田中太郎氏

 

続いて、米国のモントレーベイ水族館副館長・資源保護チーフオフィサーであるマーガレット・スプリングス氏による基調講演。米国で売られるシーフードの資源状態を赤・黃・緑で格付けし、消費者のシーフードサステナビリティへの意識向上に大きな貢献をした、同水族館の「シーフード・ウオッチ」プログラムは、日本国内でも知られるようになってきました。同プログラムでは、科学的根拠に基づいた情報を公に提供し、全米を代表する食に関するビジネスや各地の博物館、水族館とのパートナーシップを多く結んでおり、講演の中でも科学的な視点による資源管理の重要性を強調しました。

 

モントレーベイ水族館副館長 マーガレット・スプリング氏

 

またスプリングス氏は、ビジネスのパートナーシップとしては主にCSR部門、または調達方針へのアドバイスの二方向があり、更に調達方針の課題としてサステナビリティ、トレーサビリティの二つが大きなテーマになっていると説明。特に輸入に頼る日本においては、その技術力を駆使し、トレーサビリティを徹底させることが、IUU漁業問題の解決を加速させることに繋がると、日本のイノベーション力への期待を語りました。

 

続いてのトークセッションでは、スプリングス氏に加え東京海洋大学名誉博士・タレントのさかなクンが登壇。「日本では、食べ物全てに生命があり、それを有難く頂くという文化がある。便利さだけを求めるのではなく、そこに改めて気づくことができるかが鍵」とさかなクンが語ると、スプリングス氏も「人を動かすにはストーリーが大切」と続けました。

 

国立大学法人 東京海洋大学名誉博士/客員准教授 さかなクン

 

二つめの基調講演には、イオンの執行役、環境・社会貢献・PR・IR担当の三宅香氏が登壇。同社はGSSI参画や、2020年までに「20%をMSC/ASC認証製品にし、CoC認証100%の実現」をアワオーシャン会合で宣言するなど、サステナブルシーフードに取り組む小売業の牽引役ともいえます。講演の中で、同社で取り扱う商品は安全だけでなく、安心をお届けすることを理念としており、「サステナブル」も「安心」を提供する重要な要素であると紹介しました。年間36億人の来客者がある同店舗では、昨年「完全養殖クロマグロ」「ASC認証アトランティックサーモン」の店頭販売を開始。また、MSC・ASC認証の商品も年々種類を増やしています。「エシカルだから買ってね、だけでは伝わらない。お客様と対話し、買って食べて頂き、おいしいね、と思ってもらうことが重要」であると語りました。美味しい魚食文化をつなぐため、「魚には国境がなく、地球規模で守るべきもの」であることを認識し、「消費者まで含めたサプライチェーン全体で守っていかなければならない」ことを強調しました。「フィッシュバトン」活動の「生産者から流通・加工・小売・そしてお客様」の間でバトンを受け渡すという理念で締めくくったお話に、会場からも大きな拍手が送られていました。

 

イオン執行役環境・社会貢献・PR・IR担当 三宅香氏

 

そして三つ目の基調講演では、サステナブル調達方針を世界的に導入しているパークハイアット東京の総料理長、トーマス・アンゲラー氏が登壇。2018年末までには、ホテルで使用する魚介類のうち50%以上をサステナブルにするという方針を説明。他にも、うちMSC, ASC認証のアイテムを15%以上にすること、また2014年に既にフカヒレの取り扱いを中止したことなど、グループとしての取り組みを紹介しました。「企業と個人が協力することが社会的責任を果たすことになる」との見解を語りました。

 

パーク ハイアット東京総料理長 トーマス・アンゲラー氏

 

次回は、政策・リテール・技術など、様々な立場からサステナブルな社会の実現に取り組む登壇者による熱いトークセッションについてレポートします。

 

 

 

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