この10年で、日本は世界有数の
サステナブルシーフード成長市場に。
海洋生態系・経済・地域社会の繋がりを象徴する水産物(シーフード)を
豊かな状態で未来世代に継いでいくこと(レガシー)をパーパスに掲げ、
2015年に設立されました。
以来、市場の変革、金融から水産業界へのエンゲージメント強化、政策転換の働きかけを行い、
サステナブルシーフードの主流化を牽引してまいりました。
2015年は、まだ水産業界にサステナビリティのコンセプトは
ほとんど浸透していませんでしたが、 この10年で、大きな進展を遂げました。
Message
未来に希望の明かりが灯る世界へ
—シーフードレガシーの10年とこれから—
2015年創業のシーフードレガシーは、今年で10周年を迎えることができました。これもひとえに皆さまからの温かいご支援の賜物と、心より感謝申し上げます。
私たちは「豊かな海と人々の笑顔を未来へ継ぐ」ことを理念に、日本発のサステナブルシーフード・ムーブメントを牽引してきました。水産資源に恵まれた日本は、大手水産企業の集積や先進的な情報技術の活用に加え、近年では自然関連財務情報開示(TNFD)への早期対応でも世界をリードしています。そうした強みを活かし、日本を水産分野における環境・社会責任の先進国とすることを目指し、企業や政府、金融機関、市民団体など多様なステークホルダーと連携してきました。
2025年には、社会・環境に高い配慮を示す企業に与えられる「B Corporation(B Corp)認証」を取得し、初のインパクトレポートも発表。今後も、海洋における持続可能なフードシステム構築に努め、日本からアジア、そして世界へとムーブメントを広げてまいります。 引き続き、皆さまのご支援とご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社シーフードレガシー
代表取締役社長
花岡 和佳男
Impact
10周年の節目に、企業活動を通じて社会や環境に与えた影響をまとめ、インパクトレポートとして発行しました。
今後は、このインパクトを日本だけではなく、アジア圏の新興水産市場にも展開していきます。
01
シーフードレガシーを創立した2015年当時、日本の水産業界ではサステナビリティの概念は十分に浸透しておらず、持続可能な調達方針を持つ企業はごくわずかでした。しかし、2015年のSDGs採択や2021年の東京五輪などの影響もあり、現在では多くの大手水産関連企業が持続可能な調達方針を策定し、トレーサビリティや環境・人権デューデリジェンスの実施も進め始めています。かつて国際的批判にさらされることが多かった日本の水産業は、今やサステナブルシーフード・ムーブメントのグローバルリーダーとして期待されています。
この度の創立10周年、誠におめでとうございます。
創立以来、花岡様をはじめ皆様の熱意とご努力で、持続可能な水産物の普及に向けた先駆的な取り組みを推進され、豊かな海の未来に大きく貢献されてこられましたことに、深く敬意を表します。 弊社7&iグループもその理念に共感し、共に歩んでこられたことを誇りに思います。これからも革新的な発想と情熱をもって、水産業界の発展と持続可能な社会の実現に貢献されますことを心よりお祈り申し上げます。今後もご連携のほどよろしくお願いいたします。
株式会社セブン&アイ・ホールディングス 代表取締役会長
伊藤 順朗 様
02
2019年以降、非営利金融シンクタンクや国際金融プラットフォームによる報告書が日本の水産企業への投融資リスクを指摘。現在では日本の複数の金融機関が漁業・養殖業セクターに対する投融資の取り組み方針を策定し、サステナビリティ・リンク・ローンやブルーボンドを実施しています。2023年には、FAIRRなど複数の国際組織が、情報開示やそれに必要なトレーサビリティの強化を求める共同エンゲージメントを開始*。TNFDの早期採用企業数で世界首位となった日本の水産関連企業に期待が高まっています。
*FAIRR、UNEP FI、WWF、Planet Tracker、World Benchmarking Alliance
サステナブル・シーフードを世界の主流に、という挑戦に敬意を表します。シーフードレガシー様の10年間ものご尽力により、グローバルでも非常に速いスピードで様々な共創が拡大しており、遠くない将来にさらに大きなうねりになることを確信しております。気候変動、自然資本、生物多様性、資源循環という重要課題が交わるサステナブル・シーフードというサステナビリティの新たな潮流を見逃さないように波の震源地であるシーフードレガシー様にこれからも注目していきます。次の10年も、「Festina lente(悠々として急げ)」!
みずほフィナンシャルグループ 兼 みずほ銀行
サステナブルビジネス部 副部長
末吉 光太郎 様
03
2018年に70年ぶりの漁業法の改正が行われ、2020年に施行に至りました。改正法では「水産資源の持続的な活用」が明記され、資源管理の枠組みが世界水準に近づきました。また、国内消費量の半分を占める輸入水産物についても、IUU漁業対策が求められ、2022年に水産流通適正化法*が施行されました。現在は対象魚種が限定的ですが、今後、主要全魚種を対象にすることや電子報告管理体制の導入が求められています。
*正式名:特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律
貴社は創立以来10年にわたり、サステナブルシーフード・サミットの開催をはじめ、持続可能な水産業の啓発に取り組んでこられました。水産庁としましても、我が国の水産業・漁村が持続的に発展し、国民・消費者への水産物の供給をはじめとする多様な機能を適切に発揮していくことができるよう、改正漁業法に基づく水産資源管理の着実な実施や海業の振興などに取り組んでいるところです。貴社が引き続き我が国水産業の発展に御尽力いただけることを期待しております。
水産庁 前長官
森 健 様
04
2015年、サステナビリティを軸に多様なステークホルダーが結集する場として「東京サステナブルシーフード・シンポジウム(TSSS)」を開催。競合企業が一堂に会し、新たな協働が生まれる場となりました。その後、アジア最大級のサステナブルシーフードイベントへと成長し、2019年に「東京サステナブルシーフード・サミット」に改称。2024年の10回目の開催では、過去10年の軌跡を振り返り、2030年までに「サステナブルシーフードを主流に」という目標を掲げ、ほぼ全ての参加者にご賛同いただきました。
10周年おめでとうございます。国や行政、企業、NGO、アカデミアを巻き込み、漁業現場から食品会社、外食や小売り、金融まで取り込んで、持続可能な水産物のサプライチェーン構築に取り組んでこられた成果があちこちで花開きました。小規模多品種の水産物を扱うアジアの食文化や人権配慮の視点も大切にし、アジアと欧米の相互理解を深める努力もしてこられました。花岡社長とスタッフの皆さんの行動力とひたむきな思いが確かに社会を変えてきました。これからも、日本・アジアから世界の海の未来を変革していくことを期待しています。
日経ESGシニアエディター 兼 東北大学グリーン未来創造機構・大学院生命科学研究科教授
藤田 香 様
これらのインパクトをまとめたインパクトレポートを発行しました。
Message
私たちの活動を支え続けていただいている財団のお二人から、
10周年へのお祝いメッセージをいただきました。
パッカード財団は過去10年間、シーフードレガシーを支援してきたことを光栄に思います。
シーフードレガシーの10年にわたる日本のサステナブルシーフードムーブメントへの努力を称えたいと思います。また、サステナブルシーフード・サミットは、シーフードレガシーの影響力を証明するものです。私たちは共に、健全な海が強靭な地域社会と永続的な食料安全保障を支える未来を築こうとしています。
次の10年がシーフードレガシー、そして私たちのグローバルコミュニティにとってどのようなものになるのか、とても楽しみにしています。
デビッド・アンド・ ルシール・パッカード財団
オーシャン・ディレクター
サラ・ホーガン 様
創立10周年、誠におめでとうございます。この10年間、貴社が日本国内外の持続可能な水産業の推進において生み出した革新的な影響を讃えたいと思います。また、海洋の持続可能性のため、リーダーとしての地位を確立し、市場の変革、サステナブルファイナンス、政策改革を力強く推進、進展させてきました。当財団は、海洋イニシアチブを通じて革新的な連携を支援し続けることに深くコミットしています。初の大阪開催となるTSSSも心待ちにしています。これからも、サステナブルでレジリエントな未来の実現に向けて、この類稀な道のりを一緒に歩んでまいりましょう。
ウォルトン ファミリー財団
シニア・プログラム・オフィサー
海洋イニシアチブ担当
テレサ・イッシュ 様
Movie
創立10周年を記念して、10年間の様子を動画にまとめました。
Logo
魚を中心に描かれた右側の円は、豊かな海に包まれた地球を表現しています。
魚はかけがえのない海の恵と、守り継ぐべき命の象徴。
黄色で描かれた太陽は未来への希望と、持続可能な光を意味しています。
サステナブルシーフードの主流化を加速させる力に
この10年の節目に、公益性を高めることで、組織の成長を加速させ、ひいてはパーパスの実現をはかるため、B Corporation(B Corp)認証を取得しました。
水産業の未来地図
グローバル連携で描くサステナビリティ
日時:2025年10月1日(水)〜2日(木)
会場:グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)12階 特別会議場
シーフードレガシーは、2025大阪・関西万博「BLUE OCEAN DOME(ZERI JAPAN)」のパビリオン催事パートナーです。