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広がるオーガニック思考。海のオーガニック、考えたことありますか?

広がるオーガニック思考。海のオーガニック、考えたことありますか?

 

ここ最近、目にすることが多くなった「オーガニック」の表示。皆さんはこの「オーガニック」という言葉から、何をイメージしますか?安心、安全、健康的、高級志向でオシャレ…。なんとなく魅力的だけれど、どうしていいことなのか、分かっているようで今ひとつピンとこない。今回はこの「オーガニック」の視点からシーフードについて考えてみます。 「オーガニック」という言葉について調べてみると、「農薬を使わない、遺伝子組み換えを行わない」と言った少し堅苦しい定義的な意味と、「自然と人間の調和」という本質的な考え方に行き当たります。 オーガニック界のカリスマ的存在であり、アメリカで最も予約が取れないと言われるレストランのオーナーでもあるアリス・ウォーターズさんは、彼女が大切にするオーガニックの考え方をこう語っています。

“This is nothing really new, since the beginning of civilization. It’s about buying locally, taking care of the land where your food is coming from, eating with your family and friends, cooking very simply, celebrating the harvest.”
何も新しいことではないのです。その土地で育ったものを買うこと(地産地消)、食べ物が育つ土地を大切にすること、家族や友達と一緒に食べること、シンプルに調理すること、収穫に感謝すること。それだけなのです。

充実したオーガニック野菜のセクション。アメリカのスーパーにて。

充実したオーガニック野菜のセクション。アメリカのスーパーにて。

このシンプルな言葉の意味を考えると、「食」を通して、人と人との繋がりが生まれること、季節と自然の恵みに感謝すること、そして、次の世代にもこの豊かな生活を残していくこと、と言ったシンプルだけれどとても大切なメッセージが読み取れます。 このアリス・ウォーターズさんの考えの根本にあるのは、「サステナビリティー」ではないでしょうか。よく日本語では「持続可能な」と訳されていますね。大量生産、大量消費といった現在主流のスタイルではなく、必要なものを必要なだけ、つまり「獲り尽くさない」、「種を絶やさない」、「破壊しない」ことを大切に、将来に渡って豊かな生活を保っていく、という意味がこめられています。 アリスさんのこの考えを、海の幸、シーフードで考えてみると、野生の魚なら、地元で獲れたものやどこの漁業から来たのかわかるもの、生態系に配慮し、資源への影響を十分考えながら適度に漁獲していること、違法漁業や労働問題のないクリーンな漁業であること、そのような漁業からのお魚を産地とのつながりを感じながら買うこと…などの大切さが浮き彫りになってくるのではないでしょうか。養殖の魚なら、餌に配合されるイワシやサバなどの餌魚も資源や産地の経済を守りながら持続的に漁獲されていること、餌や水槽に配合される薬などができる限り制限されていること、生育環境が周りの生態系を壊さず、また汚さないこと…など、海を守りながら将来もずっと美味しく安全にお魚を食べていくためにできることが、実は魚にもたくさんあります。

マルタ島の地元の魚市場。イキイキしていて幸せそう!

マルタ島の地元の魚市場。イキイキしていて幸せそう!

そもそも、例えば野菜や鶏肉や牛肉など人工的に生産するものは、一定の基準を満たすことで、オーガニックの認定を受けることができますが、大自然を生きる天然の生命を狩猟してそのままいただくと言う極めて本質的な「オーガニック」は、もはや私達の日常的な食材では魚介類でしか味わうことのできない時代です。この価値を正しく評価し、その恩恵を受け続けるために、いま注目されているのが「サステナブルシーフード」です。日本ではまだまだ認知度は低いですが、徹底された資源管理、地産地消の推奨、海洋環境に配慮した漁法・養殖法、透明性のあるトレーサビリティー、そして違法漁業や労働問題のないクリーンな漁業など、海外では高い評価を得ています。本来の「オーガニック」の考えを大切にし、限りある海の恵みを持続可能なかたちで利用し、未来に豊かな海を継承していく・・・。そんな本来の自然の恵みを身近に感じ、サステナブルな漁業からの繋がりを感じ魚を買い、みんなでそのありがたみを共有できること、それがシーフードのこれからのスタイルかもしれません。世界的にも一番信頼されているMSC認証(天然)やASC認証(養殖)を受けたサステナブルシーフードは、日本でもイオンや日本生協連などで手に入れることができますよ! 何十年間にも及ぶ過剰漁業により、海の資源は深刻なダメージを受けています。食材の質や地球との繋がりへの関心が徐々に高まってきている日本市場でも、これからますます「サステナブルシーフード」への注目と需要が高まることが期待されます。  

出典:CNN culinary journey: Alice Waters Chez Panisse and the power of farm-to-table cuisine、有機畜産物のJAS規格(農林水産省)、MSC(海洋管理協議会)