米国・ボストン「Seafood Expo North America 2019」 参加レポート

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    毎年恒例の米国・ボストンにて開催される「Seafood Expo North America 2019」に参加してきました。北米エリアで最大規模を誇る水産物に特化したこの食品展示会(通称:ボストンシーフードショー)は、2019年3月17日(日)〜19日(火)の3日間、Boston Convention & Exhibition Centerにて開催されました。

    何千人ものバイヤーやサプライヤーが世界中から一堂に集まり、水産経済に関わる様々な業態・業種のプレーヤー同士、ネットワークの拡大に力を入れていました。

    主な展示物は、活魚、鮮魚、冷凍加工原料、第一次から高次加工品、ナショナルブランド(NB)、プライベートブランド(PB)、設備・機器(食品加工機器、冷凍・冷蔵機器・設備など)、包装資材、贈答品・ギフト、その他関連サービスなどがありました。

    世界約50カ国から集まった出展企業数は約1,350社に達し、各社それぞれ地元の魚や生産技術の特徴を生かし、最新の商品を展開していました。さらに日本国内の展示会ではあまり見ないNGO/NPOブースも活気があり、MSC/ASC/BAP等の認証運営団体、Seafood Watch等の資源評価団体、FishChoice等の漁業改善団体などがサステナビリティーの普及に大きく貢献していることがわかりました。さて、グローバルな視点で水産経済の動向に触れることができるこの展示会、私たちシーフードレガシーは何を目的に行ったのでしょうか?

    今回の私たちの目的はずばり、世界のサステナブル・シーフードの最新動向の調査そしてそのネットワークの強化です。サステナブル・シーフードマーケットの最先端を行く欧米諸国に対して、主要生産国である中南米や東南アジアの国々がどのようにチリ・ベトナム・その他新興国の水産生産国が対応しているのかを理解することは、日本のサステナブル・シーフードマーケットを醸成するにあたり大変重要です。「人のふり見て我がふり直せ」という昔ながらの言葉がありますが、ポジティブに物事を吸収して日本マーケットに反映させていきたい!との思いで初めてボストンシーフードショーに参加した、元水産卸売製造会社営業マン、シーフードレガシー 企画営業部 調達戦略部門担当の若宮が現地での様子をお伝えします。

    会場の様子:

    • 各社展示ブースにて企業の販促ポスターやデコレーションがおしゃれで華やかながら、多くの企業はGSSI認定の認証エコラベル(MSC/ASC/BAP/Global G.A.Pなど)を目立つところに大きく掲げていた。
    • ある企業ブースでは、GSSI認定の認証エコラベル(以下、エコラベル)と同様に食品安全認証(BRC、ISO/FSSC22000)も含めて約7つの認証ロゴを堂々と掲げていた。
    • 展示されている最新商品の規格も、サステナブル・シーフードを推奨する米国小売やフードサービスの現場のニーズを反映されているものが多く、エコラベル付きファストフィッシュまたはアウトパック商品が多数を占めていた。
    • サステナブル・シーフードマーケットの分野で遅れを取っている日本・韓国・台湾などのアジア諸国のブースではエコラベルを堂々と掲げている様を見かけることはほとんどなかった。日本を含めアジア諸国のブースでは、エコラベルはあまり見受けられなかったものの、欧米マーケットが重要顧客である東南アジア企業や、大手日本企業を親会社に持つグループ企業のブースではエコラベルの表示も積極的に行なっていた。
    • 同時開催のセミナーでは、水産経済・貿易・IoT技術に関してのセッションがある一方、サステナブル・シーフードに関連する、資源管理・社会的責任・環境的責任についてのセッションが多数を占めていた。
    • 欧米での魚食文化の普及は近年広がる健康思考ブームに関連しており「健康=食品安全&サステナビリティー」のようにパッケージでマーケティングされている。
    • 陸上の完全循環型養殖システム(RAS:Recirculating Aquaculture System)で養殖されているエコラベル付き水産物も多数展示されていた。
    レーティングと企業が協働し、持続可能な漁業を目指す趣旨のメッセージも。

    出展者へのインタビュー:

    • あるグローバル企業の営業担当者によると、「エコラベルの有無は企業の国際競争力やブランド力の重要性に関わってくる」とのこと。
    • ある南米のサプライヤーより、「食品安全を軸にサステナブル・シーフードの普及がかなり広がっている米国では次に鮮度や品質という味のこだわりはもちろん、社会的責任の側面に対する取り組みについても重要視する企業が増えている」とのこと。
    • ある日本企業の営業担当者より、「和食文化が広がり見せている欧米からエコラベル付きの寿司ネタを探しているという輸入業社からの声もあった」とのこと。
    • あるエコラベル運営団体より、「社会的責任と環境への責任のサステナビリティーにプラス、食品安全と動物福祉の側面に対しての要望が(欧米を中心に)強まってきている」とのこと。
    • 様々な外国のサプライヤーより、「日本市場に大変興味があるが的確なパートナーがいないため、情報収集や販路創出に苦戦をしているとのこと。

    上記の通り、私たちの観点から現地での様々なサステナブル・シーフードの動向を調査致しました。欧米諸国の先進事例は、日本のマーケットの将来を創造するにあたり大変参考になると同時に、輸出拡大を目指す国内企業にとって必要な経営戦略になるとも感じております。

    ネットワークの強化に関しても、様々な外国のサプライヤーとの新しい関係の構築、並びに日頃からお世話になっているNGO/NPO団体との関係強化など大いに進展致しました。現在は、彼らが提供するおいしいサステナブル・シーフードを日本国内のより多くの人たちにご提供できるよう、作戦を立てております。また、日本国内の水産物を欧米諸国に幅広く展開できるように、国内企業をサポートしていきます。