日本は152カ国中133位
    各国のIUU漁業への対策状況が数値で比較可能な「IUU漁業指数」

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    世界から見た日本

    2019年1月に公開された、世界152カ国の違法・無報告・無規制(IUU)漁業に由来するリスク及び対策の状況を数値で表した「IUU漁業指数」(IUU Fishing Index)で日本は152カ国中、133位と発表されました。1位はベルギー、最も低かったのは中国でした。

    IUU漁業指数とは?

    IUU漁業指数は、世界で活躍する漁業・水産養殖コンサルタント会社のPoseidon Aquatic Resource Management Ltd.、および人権問題などに取り組む専門家のNGOネットワークGlobal Initiative Against Transnational Organized Crimeによって開発されました。ノルウェー王国の外務省からの財政支援を基盤としています。

    すべての沿岸国における以下の3つの指標を各国が互いに数値(1が最高、5が最低)で評価しています。

    ①「脆弱性」・・・IUU漁業にさらされるリスクを評価
    ②「普及」 ・・・IUUと判明または疑われる漁業を評価
    ③「対応」 ・・・IUU漁業の減少を目的とした政策を評価

    日本に関する数値の詳細

    http://iuufishingindex.net/reports/iuu-fishing-index-country-profile-japan.pdf

    世界平均が、2.29であるのに対して日本は2.63でした。

    リスクを評価した「脆弱性」では4.28ポイントと世界ワースト2位で、152位(4.44ポイント)の中国と150位(4.22ポイント)のロシア2国に挟まれる形となりました。特に沿岸漁業(同立最下位:5.00ポイント)および旗国(同立最下位:5.00ポイント)としての責任の分野において、脆弱性が目立ち大幅な改善の余地があることが示されました。IUU漁業に関する港湾取引における責任も日本は、最低点の5.00ポイント(同立最下位)と評価されました。

    IUU漁業の原因は?

    漁業は数十億ドル規模の事業であり、世界規模で約4千万人が漁業に、数百万人が、サプライチェーンの上流から下流のマーケティングや加工等の業務に従事しています。また、世界の食料部門で最も取引されている商材として魚が数えられます。漁獲された魚の約35%(実重量換算)が輸出されており、2016年の世界の魚および水産製品の輸出額は、1,430億米ドルでした。

    これらの経済的利益を鑑みると、違法に漁業を行うインセンティブがかなり高いことが分かります。さらに、このインセンティブは大規模および小規模漁業の両方に存在します。1990年代半ば以降、国際的、地域的、国内的な多くの取り組みが行われてきました。これには、合意、管理および監視(Monitoring Control System)の向上、情報の共有、および違法行為を特定し追跡するための技術の革新的な利用があります。

    課題

    IUU漁業に関する問題は、国際連合の持続可能な開発目標(SDGs)で取り上げられている重要課題の一つです。SDG 14.6では、「2020 年までに、過剰漁獲能力や過剰漁獲につながる漁業補助金を禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金を撤廃し、同様の新たな補助金の導入を抑制する*1」という記載もあり、各国で早急な対策が行われております。

    このレポートは、日本の政府関係者にIUU漁業対策の必要性を示し、水産関連企業にトレーサビリティ確立の必要性を示すものです。日本でサステナブルシーフードの動きが活発になっている今だからこそ、IUU漁業対策においても今後の展開が期待されます。

     

    詳細はレポート本文、及びウェブサイトをご参照ください。
    レポート:
    https://globalinitiative.net/wp-content/uploads/2019/02/IUU-Fishing-Index-Report-web-version.pdf

    ウェブサイト:http://iuufishingindex.net/

    *1 外務省:https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000101402.pdf