Seafood Summit 2019 参加レポート-2
    Summit注目トピックを一気に予習!
    SFLオリジナル・ワークショップを開催

    big-fish

     

    ツアー初日は今回のサミットの注目トピックスについて事前学習を行う、プレ・ワークショップを弊社主催で開催しました。本ワークショップには世界のサステナブル・シーフード業界を牽引してきた国際的なリーダーにゲストスピーカーとして参加いただきました。

    SFL主催 Seafood Summit プレ・ワークショップ プログラム >>> ダウンロードはこちら

    まずは、日本から参加の皆さまの自己紹介と今回のサミット参加を通して学びたいことを共有いただきました。ここではその一部をご紹介!

    秋田 浩稔様 
    西洋フード・コンパスグループ株式会社 購買部 スペシャリスト
    サステナブル・シーフードの取り組みを企業活動として継続的なものにするため、業界の最新情報を知りネットワークを形成し、取り組みの糧にしたい。

    太田 毅人様
    みなと山口合同新聞社
    得た知識や人脈を報道に活かしたい。特に「サステナビリティに関する取り組みを、水産関係業者の利益に直結させるための知識」「極力、水産現場に手間やコストをかけずサステナビリティを高めるための知恵」を得たい。

    喜納 厚介様
    パナソニック株式会社 ブランドコミュニケーション本部 CSR・社会文化部 
    他の国でのレストラン、従業員食堂、店舗等でのサステナブル・シーフードへの現状の取組み状況や、普及状況、認証取得済の水産物のコストや今後の動向等々を知りたい。

    濱﨑 祐太様
    スクレッティング株式会社 営業部門
    海外での事例を学ぶと同時に、今回参加される方々をはじめ異業種と連携して日本でもサステナビリティをさらに普及させたい。

    眞々部 貴之様
    楽天株式会社 サステナビリティ部
    アジアおよび世界でのサステナブル・シーフードの動きを把握し、EARTH MALL with Rakutenや楽天市場出店店舗でのサステナブル・シーフードの取り扱いを増やしていきたい。

    また、ツアーには松本 哲様(日本生活協同組合連合会 商品本部 本部長スタッフ)、八木田 耕平様(株式会社 セブン-イレブン・ジャパン 海外・原材料サポート部)、牧 萌香様(株式会社ショクリュー  海外開発部 マネジャーアシスタント)、小出 浩二様(フジフーズ株式会社 購買部)、永野 晃伸様(フジフーズ株式会社/エフリンクコーポレーション  購買部)にもご参加いただきました。

    セッション1: 包括的な調達方針のデザインと導入

    プレゼンテーション資料(日本語)ダウンロード>>>こちらから
    ワークショップ1つ目のセッションでは、「包括的な調達方針のデザインと導入」と題し、持続可能で責任のある水産物の調達を実施する北米サプライヤー企業、Sea Delightのステファン・フィッシャー氏より、企業の取り組みをご紹介いただきました。

    マグロやカジキのような大型の高度回遊性魚種の輸入卸業を行う企業にとって、国際規模での管理や漁獲基準策定は持続可能性の改善において欠かせない、とした上で1)自社の調達方針、2)FIPのローンチと支援、3)行政への働きかけの事例、をご紹介いただきました。中でも、フィッシャー氏は企業がRFMO(地域漁業管理機関)に直接呼びかけていくことが重要だ、と述べた上でNGOパートナーであるSustainable Fishery Partnership(SFP)のマグロサプライヤー円卓会議、及びInternational Pole and Line Foundation(IPNLF | 国際一本釣り基金)との協働事例についてお話いただきました。

    セッション2: サプライチェーンの透明性向上でIUU漁業や人権問題を解決する

    プレゼンテーション資料(日本語)ダウンロード>>> EJF / Thai Union
    世界第三の水産輸出国であるタイは2015年にEUからイエローカード発行され、IUU漁業や人権問題改善に向けて抜本的な改善を余儀なくされました(現在は解除)。今回のサミットでも、注目のトピックスとなった水産業での人権問題やIUU漁業に関して、Thai Unionのダリアン・マクベイン博士、及び国際人権環境保全NGOのEnvironmental Justice Foundationのスティーブ・トレント氏にお越しいただき、企業とNGOの異なる目線からお話いただきました。

    まず、トレント氏より水産業界における人権問題は日本市場にとっても他人事ではない現実を日本水産業の貿易相手国でもある台湾のマグロ漁船の悲惨な現状を事例に紹介いただきました。

    課題は多くあるものの、企業が問題に対しプロアクティブにできることもたくさんあるとし、EJFは企業に対し、人権問題の予防策としてできる10個の取り組み、「水産サプライチェーンの透明性確立に向けた憲章」を推奨しています。

    これを受け、「企業は最悪のケースに備えるリスクマネージメントが重要」とThai Unionのマクベイン氏。タイの水産業の悲惨な現状が世界的の報道された直後の2015年から積極的な改善活動を行なっている同社の包括的なプログラムSeaChangeを紹介しました。SeaChangeは1)安全で合法な労働、2)責任のある調達、3)責任のあるオペレーション、4)人とコミュニティーの4つのプログラムから形成され、サプライチェーン上で関わりを持つ企業の持続可能で責任のある事業の基盤を支える役割を果たしています。また、このような取り組みの進捗は特設ウェブサイトや年次レポートで紹介され、コミュニケーションにも力を入れています。

    セッション3: インセンティブを生み出すFIPモデルの構築

    プレゼンテーション資料(日本語)ダウンロード>>>こちらから
    日本でも近年広がりを見せる漁業・養殖漁業改善計画、通称FIP/AIP。今回のワークショップでは、北米サプライヤー10社による協働ファンドを運営するSea Pactのロブ・ジョンソン 氏に、Sea Pactの事業モデルと非競争連携の重要性についてお話いただきました。

    Sea Pactに参加する企業は2013年のローンチより、13カ国で22のFIP/AIPを支援してきました。本来はライバル企業である同業者を集めたファンドモデルについて、ジョンソン氏は「安定して事業をする水産資源がないことには、健全な競争も生まれない。Sea Pactのメンバー企業は、長期的なビジョンを持っており、この非競争連携モデルのコスト競争力、商品となる水産物へのアクセスの確保、そして業界の責任を果たす点に賛同している」とした上で、日本企業へ「待たずに始めることが重要、開始しなければ改善はない」と、アドバイスを送りました。

    欧米マーケットのリーダーとして業界を牽引してきたゲストスピーカーの言葉には重みがあり、短い時間ながらも学びの多いワークショップとなりました。また、ワークショップ中のQ & Aコーナーでは時間が足りず、サミット期間中に「もっと知りたい!」と、ツアー参加の皆様がゲストスピーカーと積極的にネットワーキングする姿がとても印象的でした。

    次回は、初日の基調講演でも取り上げられた、水産業界での人権問題やエシカル消費についてお伝えします!

     

    (文:松井花衣)