CEOブログ:設立5周年を迎えて

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    皆さんこんにちは。シーフードレガシーCEOの花岡和佳男です。本日7月7日、株式会社シーフードレガシーは設立5周年を迎えることができました。ひとえに皆様のご支援の賜物と、心から感謝いたします。

     

    2015年、シーフードレガシー設立

    5年前、「海の環境・経済・社会の繋がりを象徴する水産物(シーフード)を、豊かな状態で未来世代に継ぐ(レガシー)」という目的をそのまま社名に据え、「Designing Seafood Sustainability in Japan, together」を社会的存在意義(パーパス)に掲げて事業を開始しました。ロゴにも、多様なステークホルダーとの繋がりにより解決策を生み出す「協働」の想いを込めました。以来、グローバルネットワークと専門知識を活かし、目的を共有する仲間と力を合わせ、たくさんのステークホルダーの皆様と共に、サステナブル・シーフード・ムーブメントの日本での浸透・定着・加速に邁進して参りました。(シーフードレガシーの企業理念

     

    2020年、コロナ禍で浮き彫りになるリスク

    サステナビリティを基本精神に持つオリンピック・パラリンピックが世界有数の魚食文化を誇る東京で開催される2020年は、日本のサステナブル・シーフード・ムーブメントにとって希望の年になるはずでした。しかしいま、新型コロナウイルスの感染拡大により、グローバルリスクへの対応を後回しにしてきた社会や経済の根本的な弱点が、各地で浮き彫りになっています。世界規模の乱獲による海洋生態系の破壊、それに伴う水産経済や地域社会の衰退、IUU(違法・無規制・無報告)漁業や現代奴隷などの社会問題の蔓延、そして、これらのリスクが負の連鎖をなして世界規模で進行していることに目を瞑ってきたことによる複合的被害が、国境をいくつも超える長いサプライチェーン上でますます顕在化しています。

     

    始まる水産界のニューノーマル

    この先エシカルライフスタイルが広がり、海洋生態系を破壊し種を枯渇に追いやる乱獲の上に成り立つビジネスモデルは、市場からの撤退を余儀なくされる様になるでしょう。一方で、世界人口の増加に新興国のGDP増加による食生活の向上が加わり、タンパク質の需要と供給は早ければ2030年頃にもバランスが崩れ始めるとされている中、コロナ禍を機に脱グローバル化が進み、国や地域レベルでの食糧安全保障が一層重要視されるようになってきています。ニューノーマルにおける長期視点に基づく水産界のグリーンリカバリープランとして、必要動物性タンパク質を人の手をかけずに生産する「海の再生産能力」の回復に今後さらに大きな注目が集まるでしょう。その「海の再生産能力」の回復スピードを最速化する鍵は、水産界におけるSDGsを基礎とするESG経営/投資の実践と、DX(デジタルトランスフォーメーション)の本格導入にあると私は考えます。

    ブルーエコノミーとグリーンリカバリー

    「海の再生産能力」を正しく把握し、その力を壊すのではなく最大化するように水産経済活動を丁寧に噛み合わせ直していくことで、海は生命力を取り戻し、人類はそこからより多くの食料と収入を持続的に得ることができるようになります。ICTやAIを駆使した十分なデータ収集と解析による科学的根拠に準拠したアプローチと、地球の変動性を考慮した予防原則を基に、透明性と公平性の高い資源管理を実施していくことで、多様なステークホルダー間に納得感や信頼感が深まり、協働も一層加速するようになります。このサステナブル・シーフード・ムーブメントの主流化は、水産物が食文化や日常生活に深く浸透し、また世界でも特に豊かな海洋生態系が成り立つ好環境の海に囲まれている日本の社会や経済に、ひときわ大きな恩恵を授けるものになるはずです。

    過去5年に取り組んだFIP/AIP:漁業・養殖漁業改善プロジェクト(略称 FIP/AIP)とは、地域漁業者や水産関連企業、そして市場やNGOなどが連携し、持続可能な漁業を目指す上で漁業が直面する課題を計画的に改善するプロジェクトです。(ギンザケAIPは2020年6月にASC認証を取得しました。)

     

    2030年、SDGs達成に向けて

    SDGs達成目標年である2030年に向け、日本でサステナブル・シーフード・ムーブメントは加速度を上げてきています。水産物の生産や調達に持続性を追求するビジネスイニシアチブは盛り上がりを見せ、企業間連携や国際連携の枠組みもますます具体化してきています。漁業法は70年ぶりの大改正が行われ、日本初となる漁獲証明制度法制化の動きも本格化してきています。

    皆様と共に日本でこのムーブメントを加速させていることを喜ばしく思います。今は大変な時ですが、この灯を絶やさず、今回の危機を人と海との距離感や関係性を見直す機会とし、サステナブル・シーフード・ムーブメントをさらに強いものにしていけることを信じています。弊社は社員一同、今だからこそ皆様との繋がりを一層大切にしながら、その実現に向け、切磋琢磨を続け更なる努力を行って参ります。

    皆様には、今後とも変わらぬご指導ご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げます。

    末筆ではございますが、皆様の安全を心よりお祈り申し上げます。

     

    2020年7月7日
    株式会社シーフードレガシー
    CEO 花岡和佳男