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2022年 新春のご挨拶

2022年 新春のご挨拶

謹んで新春のご祝詞を申し上げます。旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
皆様のおかげで、今年も無事に新しい年を迎えることができました。

新型コロナウイルスの感染拡大から約2年。出口の見えない閉塞感を抱えていた日本に少しずつ光が見え始めてきたと同時に、オミクロン株の世界的な感染拡大の影響が懸念される一年のスタートとなりました。日本の水産業界では、資源と漁業の管理不十分による水産資源の枯渇化、IUU(違法・無報告・無規制)漁業に由来する水産物の市場流入、気候変動への対策の遅れ、海外市場に買い負けの常態化などにより、かつては世界最大の水産大国だった日本は今や、漁獲量はピークの3分の1、漁業従事者人口は同4分の1にまで減少し、さらに国民一人当たりの水産物消費は過去20年で4割減という、文字通り「フィッシュ・ショック」の危機に直面しています。

近年SDGsが浸透する日本は豊かな海に囲まれていますが、ゴール14「海の豊かさを守ろう」へ向けた活動は、17あるゴールのうち国内で特に動きが鈍い取り組みの一つになってしまっています。それでも、私たちシーフードレガシーが目指す国内水産業界におけるサステナブル・シーフードの主流化への動きは、多くのステークホルダーのご活躍により、コロナ禍においても止まらず加速を続けています。

私たちは昨年、未来世代に対しての責任を本気で果たそうとする皆様を全力でサポートし続けれられるよう、SDGs達成目標年である2030年までのロードマップを刷新し、シーフードレガシーの役割を再定義し、その役割を果たすべく組織体制を改変しました。2022年、今の時代だからこそ、私たちは基礎に立ち返り、我々のパーパスである「海と人との繋がりを象徴する水産物(シーフード)を豊かな状態で次世代に継ぐ(レガシー)/ Designing Seafood Sustainability in Japan, together」に忠実に、事業を展開して参ります。日本に適した国際基準の解決策をステークホルダーの皆様と共に形づくることで、引き続き持続する豊かな海の実現に貢献して参ります。

 

事業領域1. 国内の水産流通をサステナブル&レスポンシブルに

サステナブルな水産物調達の実現を支援:私たちは引き続き主要な水産流通企業の皆様に対して、調達方針及び活動計画の策定・実行・分析に関するサポートを通じて、サプライチェーンから過剰漁業やIUU漁業にまつわるリスクを排除し、また環境持続性を追求するサプライヤーとのマッチングサービスを提供して、サステナブルな水産物調達の実現を支援します。

水産サプライチェーン上の人権問題対策:いま多くのコモディティで注目されるサプライチェーン上の人権問題における水産業界の動きにおいても、先行する欧米の企業・NGO・専門機関等とのネットワークを活用し、かつともに実効性あるツールを促進することで、リスクヘッジ&改善サポート・サービスを提供し、主要な水産流通企業の皆様の責任ある調達の実現を支援します。

非競争連携プラットフォームの運営:環境持続性及び社会的責任の追求は、各社の独自の取り組みには限界があり、サプライチェーン上の複数の企業や同業他社間における協働が不可欠です。私たちは、目的を共有するマルチステークホルダーが集う非競争連携プラットフォームや、各種ワークショップ等の運営を継続・強化します。

ESG金融セクターとの橋渡し:昨年発足した自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)は漁業や食品業界を重要産業に掲げており、いま水産業界にはESG投資の大きな波が押し寄せつつあります。主要な水産流通企業の皆様の環境持続性や社会的責任の追求における活動成果を、国内外の金融機関が正確に情報収集・分析・評価できるよう、双方の橋渡し役を努めます。

 

事業領域2. 国内の水産生産をサステナブル&レスポンシブルに

改正漁業法の実施:70年ぶりに大規模改正された「改正漁業法」の施行開始から一年。私たちは、政府の水産予算が、水産資源管理ロードマップの実施に適切に使用され、資源回復に真摯に取り組む全国の生産者の皆様が正当に報われるシステムの構築を急ぐことが大切だと考えます。未来世代を向いたシステム構築に向けたステークホルダー・エンゲージメントを継続します。

水産物流通適正化法の実施:「水産物流通適正化法」の施行が今年末から始まります。私たちは、いま構築に向け議論が進んでいる国内水産物流通における電子トレーサビリティ・システムが、水産資源管理のオンタイム化や、国内生産者が水揚げした水産物の価値向上にも貢献するデザインが、水産業成長化に必須と考えます。輸入規制対象種の拡大と並行し、その実現に向けた取り組みを継続します。

 

事業領域3. ムーブメントのネクストフェーズをデザイン

東京サステナブルシーフード・サミット:アジア最大規模に成長しこのムーブメントの象徴として世界各地から認知されるようになった「東京サステナブルシーフード・サミット(TSSS)」は、3年後の2024年に第10回目の開催を迎えます。その節目にこのムーブメントの成果を全ステークホルダーの皆様と共に祝福することを目指し、バックキャストで今年のTSSSをデザイン・運営します。

シーフードレガシー・タイムズ:このムーブメントの急成長は、ステークホルダーの皆様の数々の取り組みの重なり合いによるものです。私たちは、このムーブメントの更なる加速を望み、リーダーやイノベーターの思いや考えに焦点を当てたオンライン・メディア「シーフードレガシー・タイムズ」の運営を継続して、より多くの皆様にインスピレーションを届けます。

 

水産業における環境持続性や社会的責任の追求は、日本でも、いや、どこよりも海と密接に関わってきた日本だからこそ、達成を皆様と共に祝い合える日を迎えることができると、私たちは確信しています。

本年も変わらぬお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。
皆様のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。