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SDGs 目標14を事業に生かす!連続ウェビナー第4回 報告ブログ

SDGs 目標14を事業に生かす!連続ウェビナー第4回 報告ブログ

連続ウェビナー「実践!今から始めるSDGs Goal 14 〜時代に取り残されない水産企業の行動とは。サステナブル Startup webinar〜」第4回 持続可能な調達方針 策定の基礎を知る

主催:株式会社シーフードレガシー
進行役:株式会社シーフードレガシー 企画営業部 髙橋諒

 

連続ウェビナー「実践!今から始めるSDGs Goal 14 〜時代に取り残されない水産企業の行動とは。サステナブル Startup webinar〜」は、全4回を通して水産業を自社の事業とともに持続可能にするための実践方法を学ぶ講座です。

本講座では水産関連企業のみなさまをはじめ、社食などでサステナブル・シーフードの導入を考えている水産業界以外の企業の方々に役立つ内容を発信いたします。

講座内ではサステナブル・シーフードを取り巻く環境や導入した際の利点・導入しないことによる事業継続性のリスクを提示しつつ、サステナブル・シーフードを既存の業務や新規事業に組み込めるよう具体的な手法や考え方を知ることができます。

以下では第4回の内容を簡単にご紹介いたします。(第1回第2回第3回の内容はこちら)

 

「サステナブル・シーフード・カタログご紹介」

講演:株式会社シーフードレガシー 企画営業部 孫 凱軍

弊社は2021年12月に日本初のサステナブル・シーフード専門BtoBサイト「Sustainable Seafood Catalogを開設いたしました。

https://seafoodlegacy.com/catalogue/

開設のきっかけは、企業や生産者の方々の声でした。例えば企業の調達に関わるみなさまとお話をすると、「サステナブルな水産物を見つけるのにとても苦労する」とか、「品目が少なくメニューが増えない」といった声をいただきます。一方で生産者の方々からも、「せっかくコストをかけて認証品を扱えるようにしたのに消費者の購買に繋がらず、認証を維持するのが難しくなってしまう」といった声もいただきます。

このような企業・生産者間の機会損失を解決し、水産業界におけるサステナビリティを推進するために、今回ご紹介するようなカタログがあればいいのではないかと考えました。

このカタログでは、日本国内にどのような認証生産物があるかを一度に見ることができます。また、気になる品目のページをクリックすれば、リンク先から企業に直接問い合わせることも可能です。

 

例:品目のページ

 

これによってバイヤーのみなさまの探す手間を省いたり、生産者のみなさまの販売のPRの際にも役立てていただけたりします。2022年2月現在は約15社70品目を掲載していますが、将来的にはこのカタログに営業ツールなどの機能を拡張することで一つのプラットフォームとし、日本の水産物のサステナビリティを推進したいと考えています。

 

「調達方針の必要性とは?調達方針の策定とステークホルダーとの連携」

講演:株式会社シーフードレガシー 企画営業部 高橋 諒

〈ポイント〉
・調達方針とは、企業の購買活動(調達)において基本とする考え方や目指す方向
・商品、サービスは提供する側だけでなく購買利用する側の責任が伴う
・調達方針の策定と実施は、事業継続性のリスクヘッジとなる

 

講演の前半では、調達方針やその必要性についてご紹介いたしました。

まず「調達方針」とは、企業の購買活動(調達)において基本となる考え方や目指す方向を指します。調達方針を策定・表明・実施するメリットは主に以下の4つです。

©株式会社シーフードレガシー

・資源の減少、生物多様性の破壊、人権侵害に加担しているとみなされるリスクの軽減
・調達方針を持つ海外市場や海外からの顧客に対して販路拡大戦略を立てられる
・環境や社会に悪影響を及ぼす原料をサプライチェーンから排除することで事業継続性の基盤を築く
・本質的なSDGsアプローチができる

 

現在の社会には、海洋プラスチック、IUU漁業混獲などの環境問題や違法労働などによる人権侵害、シャークフィニングやエビの目抜きによる動物福祉に関する課題などが存在します。このような問題を把握し、自社の取り扱う商品の背景を正しく認識することが提供・流通させる側の責任として求められています。

逆に、社内で調達基本方針を定めないと起こりうる事例としては以下が挙げられます。

・現状使っている商材の資源枯渇時、購買による責任の一端を担うことになってしまう
・サプライヤーとの価格交渉の際、人権侵害の原因となり得る出来事に関与してしまう
・取引先企業で環境・人権に関する問題があった際に適切な対応ができない

上記のようなリスクを減らし、既存事業の継続性を確立させていくためにも調達方針の策定と実施が求められています。

これらを踏まえ、国内外の小売企業はどのような調達方針を策定しているのかをご紹介いたしました。日本の事例としては、イオングループ*1が調達において定期的なリスク評価を行っていることや、日本生活協同組合連合会の「2030年目標と責任ある調達方針(参考:第3回)」を取り上げました。

また講演の中では、水産物における調達方針の要素として以下の3つをご紹介いたしました。

・サステナブルな水産物を調達する
例:認証水産物の購買
・サステナブルな水産物を増やす
例:購買を通じたFIP・AIPの支援
・深刻な問題のある水産物を避ける
例:環境・社会問題に加担していないかを把握し避ける

さらに、先進事例から学ぶ調達方針の骨子として以下をご紹介いたしました。

・認証制度によりカバーできる分野は異なる
生物多様性の保全、乱獲、人権侵害など

・認証でカバーできない領域は各種プラットフォームを活用することで対応する
レーティングスキーム(例:Seafood Watch)、プラットフォーム(例:FishChoice)、アライアンス・ラウンドテーブル(例:ISSF

 

〈質疑応答〉

Q:調達方針はカバーできる範囲が広そうだが、策定にはどのくらいの時間がかかるか。
A:企業によって異なるが、まずはどのような分野をカバーしたいかを踏まえ、現状と具体的に達成したい事項を見据えてロードマップを作成することが重要。別の機関と協議し、客観的なフィードバックを受けることも有用である。

今回は弊社の「Sustainable Seafood Catalog」をご紹介したほか、調達方針の必要性についてもお話いたしました。特に調達方針については、環境問題だけでなく社会問題への対応や投融資の潮流なども合わせ、ますますその重要性が高まっています。策定の第一歩として、まず自社の取り組むべき問題を明らかにし、その上で認証や各種プラットフォームを活用するとよいでしょう。

弊社が日本語版を作成した調達改善のためのテンプレートもご活用いただければ幸いです。

 

*1 参照:イオン持続可能な調達方針・2020年目標「水産物」

 

(文:髙木 燎)