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持続可能な水産調達に向けて〜責任ある調達方針策定の必要性とは〜:連続ウェビナー第1回 報告ブログ

主催:株式会社シーフードレガシー
進行役:株式会社シーフードレガシー 企画営業部 髙橋 諒


連続ウェビナー「サステナブル・シーフード・ゼミナール〜環境や人権に配慮したサプライチェーンをつくるには〜」は、全4回を通して水産物を取り巻く環境を理解し、水産サプライチェーンの改善方法や実践方法を学べる講座です。


企業としてSDGsに取り組みたい、サステナブル・シーフードを取り扱いたい、IUU(違法・無報告・無規制)水産物の排除に向けて取り組みたい等お考えの方々に役立つ情報を発信してまいります。


2022年5月20日(金)に行われた第1回目の講座では、昨年度の復習も兼ねて、水産業界における環境・社会問題の振り返りをした上で、企業として調達方針を策定する理由と必要性について再確認しました。


以下で第1回目の内容を簡単にご紹介いたします。




「世界的な環境、社会問題から見る調達方針の必要性とは」

株式会社シーフードレガシー 企画営業部 髙橋 諒


持続可能な水産調達に向けて〜責任ある調達方針策定の必要性とは〜:連続ウェビナー第1回 報告ブログ



◆世界的な環境、社会問題の整理


環境問題や社会問題など地球環境を取り巻く問題は深刻さを増しています。こうした中で、気候変動に対してはパリ協定でのカーボンニュートラル宣言をはじめとして、各国で対策が進んでいます。


また、奴隷労働根絶の動きも広がりを見せています。日本においても2020年に経済産業省が「ビジネスと人権に関する行動計画」を策定しました。今年の3月からは、サプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン検討会が開かれています。


こうした持続可能な社会の実現に向けた動きが加速する中で、運用資産全体に占めるESG投資の割合が世界的に増加しており、日本においてもその動きは拡大しています。


それでは2030年目標が掲げられている今、具体的にどのような水産物を取り扱う必要があるのでしょうか。


◆課題解決のツール? 水産エコラベルとは


水産資源問題の解決策として水産エコラベルの存在があります。これは第三者的に環境や社会的側面の持続可能性を担保できる仕組みとなっています。現在様々な認証があり、漁業認証や養殖認証の中でもそれぞれ認証によってカバーする範囲が異なります。


◆加速する企業ごとの取り組み(事例紹介)


本講義ではどのようにエコラベルを活用しているのか、各企業の取り組みを紹介しました。


昨年度の講座にも登壇していただいたショクリュー様は、生産者とマーケットの間に立ち、お客様とともに持続可能な水産業と社会づくりに貢献しています。また37ある全事業所にMSC/ASC認証のCoC認証を取得しています。


日本生活協同組合連合会様は2030年目標と責任ある調達方針を掲げ、プライベートブランドのサステナビリティの確保に向けて取り組んでいます。そして独自のコープサステナブルシリーズを設けた上で、売り場で消費者が持続可能な商品を選びやすくする工夫もしています。また、パナソニックをはじめとする、社食にサステナブル・シーフードを導入し、食を通じた社員教育を行なっている例や 海外の先進事例として、小売大手であるWalmartは2025年までと期間を設定した上で取り扱う全ての生鮮・冷凍、養殖、天然水産物のサプライチェーンに対して改善を求めています。


◆5年後、10年後に向けた持続可能な水産調達とは


それでは持続可能な水産調達は一体どのように構築していけば良いのでしょうか。


先に紹介した水産エコラベル商品を使用する際には、認証水産物のアイテムが少ないために売り場のバラエティがなくなってしまうことや、コスト面でのハードルなどがあります。
しかし、サステナブル・レスポンシブルシーフードを使用する目的を検討すると、以下のようなメリットがあります。



持続可能な水産調達に向けて〜責任ある調達方針策定の必要性とは〜:連続ウェビナー第1回 報告ブログ


このうち①は売上目標など短期的な成果・目標が求められます。②〜④は企業ブランディングができたり、投融資を行なっている銀行に対して本質的にアピールできたり、中長期的な視点で目標が設定できます。つまりこれによって、非財務的資本を形成できるのです。


しかし認証水産物の魚種は限られており、認証水産物だけで全ての商品をカバーすることは不可能です。この時に、認証商品以外のものの持続可能性をどのように担保させるかが課題となります。


これに対して責任ある調達方針を策定・表明・実施することが重要となります。
調達方針を策定することにより

  • 認証水産物以外で持続可能性を追求する取り組みを対外的に発信することができる
  • 資源の減少、生物多様性の破壊、人権侵害に加担しているとみなされるリスクの低減
  • 調達方針を持つ海外市場や海外からの顧客に対して販路拡大戦略が立てられる
  • 非社会性原料をサプライチェーンから排除することで事業継続性の基盤を築く

ことが可能となります。


今回は昨年度の内容を振り返りながら、企業として調達方針を策定する必要性について様々な観点から学びました。


講義中にご紹介しました、国内で購入できるサステナブル・シーフードが探せる「サステナブル・シーフード・カタログ」、そして調達改善のためのテンプレートはこちらをご参照ください。



次回の開催は7月を予定しています。次回以降のウェビナーにご参加いただく際はこちらのページからご登録をいただきシーフードレガシーのフォローをお願いいたします。(Peatixに飛びます)。セキュリティの都合でお申し込みできない方はこちらのメールアドレスまでご連絡ください。


企画営業部 髙橋 諒:ryo.takahashi@seafoodlegacy.com



(文・図:長澤 奈央)

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