パーパス/ビジョン・ミッション/2030 マイルストーン/変革の理論/信条

パーパス

海洋における環境・経済・社会のつながり、その象徴としての水産物(シーフード)を、豊かな状態で未来世代に継いでいく(レガシー)こと

シーフードレガシーは、海洋における環境・経済・社会のつながり、その象徴としての水産物(シーフード)を、豊かな状態で未来世代に継いでいく(レガシー)ことをパーパスに掲げる、社会的企業です。

現在、アジア圏の水産業界は、過剰漁業や人権侵害といった深刻な課題が集中し、次世代への責任を果たそうとする事業者や従事者が窮地に立たされる一方で、市場規模は世界を先導する勢いで拡大を続けています。 私たちは、この巨大市場を課題の「温床」から課題解決への「原動力」へと転換させる「マーケット・トランスフォーメーション(市場変革)」に、持続可能な未来への活路を見出しています。



ビジョン・ミッション

市場の力で水産バリューチェーン構造を変革するーマーケット・トランスフォーメーションに挑む

シーフードレガシーが描くビジョンは、海が生命力にあふれ、海に関わるすべての人々が笑顔と活気に満ち、未来に希望が灯る世界です。
ただ漁業活動を規制で縛り付けるだけでは、海洋の環境・経済・社会が調和した「真の豊かさ」を取り戻すことは困難です。私たちは、これまでの活動を通じてその現実に幾度となくぶつかってきました。

制度による管理が実効性を持ち、社会に本質的な実りをもたらすためには、法的な「規制」と、市場の「需要」という強い動機を噛み合わせることが不可欠です。この二つの歯車を一致させることではじめて、持続可能な水産業への変革は現実のものとなります。
そこで私たちが注力するのが、市場が持つ購買力を水産バリューチェーンの構造変革を促すエネルギーへとシフトさせる「マーケット・トランスフォーメーション」です。

2015年の創立以来、世界有数の水産市場である日本で水産業界のサステナビリティを推進するムーブメントを発足・牽引してきたシーフードレガシーは、その実績をもとに、この歩みをさらに加速させます。世界各地に広がるネットワークと高い専門性を集結させ、ビジネス、金融、政策、市民社会の垣根を越えた、日本を含むアジア規模の共創をプロデュースします。

各企業の挑戦を産業全体のスタンダードへ。各国での先駆的な動きをアジアの共通インフラへ。地政学的リスクや社会情勢が激動する今だからこそ、私たちは確信を持ってこのタクトを振り続けます。ステークホルダーとの共鳴を推進力に、豊かな海のレガシーを次世代へつなぎます。

次世代への責任を果たそうとする誠実な生産者や事業者が正当に評価され、その価値が市場に受け入れられること。そして、持続可能な選択が経済的な成功に直結する「次世代に責任ある水産経済圏」を構築すること。それが、シーフードレガシーの使命です。

2030 マイルストーン

シーフードレガシーは、2030年までに日本をはじめとするアジアの主要市場において、「S.E.A.FOOD(Sustainable Equitable Accountable Bluefood=持続可能で、衡平で、説明責任を果たした水産物の意)」を大規模流通のメインストリーム(主流)へと押し上げることを目指しています。

消費者が、環境や社会課題を懸念することなく、当たり前にサステナブルな水産物を手に取れる市場環境を整備すること。それによって、将来世代に誠実な生産者や事業者を搾取的な価格競争から守り抜き、海の恵みと産業の誇り、豊かな社会を次世代へとつなぎます。

変革の理論

説明責任の強化

シーフードレガシーの全ての活動は、「2030マイルストーン」に到達するまでの道筋を描いた「変革の理論(Theory of Change)」に基づいています。その核となるのは、水産ビジネスにおける「説明責任(Accountability)」を強化し、構造そのものを根本から変容させていく「マーケット・トランスフォーメーション」です。

 

Phase1. 説明責任への「意志」の醸成 

変革の第一段階は、先駆的な企業が自発的に説明責任を果たすための環境整備から始まります。

かつて世界最大の水産大国として世界に名を馳せ、世界中から水産物が集まる世界第三の輸入水産物市場でもあった日本は、その水産物の乱獲・乱売・乱食が海洋生態系の破壊を助長しているとして、厳しい国際批判にさらされていました。

しかし、SDGsの開始や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会、大阪・関西万博など国際的な大規模イベントの日本開催が続くにつれ、大手水産関連企業群が「責任ある原料調達」を自らの経営戦略に組み込む動きが加速しました。さらに今は、ESG投融資の拡大が、企業の自発的な説明責任に対する「意志」を経済的な合理性へと結びつけています。

こうした流れの中、先駆的な企業群が「責任ある水産物調達ラウンドテーブル(The Japan Responsible Seafood Roundtable、以下JRSR)」に代表される連携プラットフォームに結集。個社では解決が困難な構造的課題に対し、共同方針の策定やサプライチェーンの透明化を通じて、市場に対する「説明責任」を自ら率先して果たすという、新しいビジネスの規律が生まれようとしています。
 

  • 段階1におけるシーフードレガシーのプロジェクト

責任ある水産物調達ラウンドテーブル

金融機関を通じた変革



 

Phase2. 説明責任の「制度化」と実装

先駆的な企業が自発的に説明責任を果たす取り組みが進むにつれ、変革は第二段階へと進みます。

こうした企業は、自主努力に依存する限界(不公平な競争環境や実効性の停滞)を打破するため、自らに課した「責任ある原料調達」とその「説明責任」を業界全体の標準とするよう、政府へ働きかけを開始します。これが、説明責任を自主努力から社会の仕組みへと昇華させる、決定的な転換点となります。

鍵は、環境・経済・社会への影響が特に大きい企業群が声を一つにすることです。

日本では、IUU漁業対策を目的に自国市場が持つ国際購買力をレバレッジとする「水産流通適正化法」に対し、2024年には主要水産企業13社が対象魚種の拡大を求める共同要請書を提出しました。また、業界最大手2社の代表が揃って公の場でトレーサビリティの強化を訴えるなど、民間からの力強い要請が慎重だった政府の姿勢を劇的に変えてきました。

説明責任の分野で、今後、さらに、先駆的な企業群の声を社会システムの変革の後押しになるよう加速させていきます。
 

  • 段階2におけるシーフードレガシーのプロジェクト

責任ある水産物調達ラウンドテーブル(JRSR) 

 

 

Phase3. 先駆者モデルをアジア規模の社会基盤へ

変革の第三段階でこうした国内での先駆的なアクションは、いよいよアジア市場全体の「必須要件」へと姿を変えます。

全ての事業者が説明責任を全うできる社会への移行を確実なものにするためには、ビジネス・金融・政策・市民社会といった異なるセクターの動きを一つの大きな目的へと調和させる、「指揮者(Orchestrator)」の存在が欠かせません。これがこの変革の理論、第三段階の重要な要素です。

水産サステナビリティに特化したアジア最大級のイベント「サステナブルシーフード・サミット(TSSS)」や、日本初の水産サステナビリティ専門メディア「Seafood Legacy Times」が、その役割を担っています。これらがハブとなり、胎動する多様なイニシアチブが共鳴し合い、「水産業界の合意」が進みました。

今、アジア圏では政策決定や社会実装における力学を把握するCSO達による、課題解決のための連携体制を構築する動きが加速しています。国際情勢が混迷を極める今だからこそ、私たちは変革のタクトを止めることなく、ステークホルダーとの共鳴を推進力に、豊かな海のレガシーを次世代へ引き継ぎます。
 

SEAFOOD LEGACY TIMES

S.E.A.FOOD PLATFORM DESIGN LAB.

ASIA CSO COLLABORATION
 

信 条

DESIGNING SEAFOOD SUSTAINABILITY, TOGETHER

シーフードレガシーは、頭部に加え自由自在に動くそれぞれの足の付け根に脳を持つタコの生態になぞらえ、
現場判断力と組織力の連動で効果を最大化させる「オクトパス・モデル」を、組織運営の軸としています。
その中核を成すのが、私たちが設立当初から大切にしている「信条(クレド)」です。


01. 未来世代への責任

私たちの第一の責任は、環境・経済・社会の繋がりを返す未来世代に対するものです。海は人類共有の財産であり、未来世代からの借物です。未来世代が豊かな海の恩恵を受けられる社会を描き、そこからのバックキャストにより、私達の活動は計画されます。未来世代に恥じない高い倫理観と高潔性の元に、公正かつ道義にかなった判断と行動を徹底します。

02. パートナーへの責任

私たちの第二の責任は、企業・金融機関・政府・NGO・財団など、未来世代への社会的責任を本気で全うしようとするパートナー組織に対するものです。パートナー組織の潜在ニーズを正確に把握し、連動する革新的分野に積極的に参入し、多面的・複眼的視野を持って国際基準の地域解決をデザインします。

03. スタッフへの責任

私たちの第三の責任は、共有する目標の達成に向け切磋琢磨・協力し合うスタッフに対するものです。個人やチームが目標達成や成長に面白さや喜びを見出し、朗らかな気持ちで自発的に働き、互いを支えそれぞれの強みを磨き高められる組織運営を行います。スタッフが家族や社会に対する責任を十分に果たせるよう、安心して仕事に従事できる環境を整えます。
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