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IUU漁業(違法、無報告、無規制漁業)
持続可能な水産資源管理への脅威であり、正規の漁業者を不公平な競争に晒すIUU漁業が、大きな国際問題となっています。世界の漁獲量の最大31%(重量ベース)が違法・無報告で漁獲されたものだとする推計がある中*、2019年の「IUU漁業指数」で日本は152か国中133位との低評価を受けました。
*David J. Agnew , John Pearce, Ganapathiraju Pramod, Tom Peatman, Reg Watson, John R. Beddington, Tony J. Pitcher (2009)
Estimating the Worldwide Extent of Illegal Fishing
欧米ではIUU漁業に由来する水産物の輸入を阻止する法律が定められています。主要な水産物輸入市場国であり輸入天然水産物の最大36%にIUU漁業リスク*が指摘された日本でも、2020年に「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」が定められました。2022年末からその実施が開始され、2年ごとの改善が最新の水産基本計画にも記載されました。
*G. Pramoda, T. J. Pitcherb & G. Mantha (2017) Estimates of illegal and unreported seafood imports to Japan. Marine Policy 84.
シーフードレガシーは、政府への働きかけや関連委員会・有識者会議などへの参加と並行し、IUU漁業リスクの日本流入阻止に取り組む複数の専門組織によるプラットフォーム「IUU漁業対策フォーラム」のコーディネーター及びフィスカルスポンサーの役割を担っています。また、目的やアプローチを共有する欧・米・アジア圏のプラットフォームと連携し、世界の水産業からIUU漁業を撲滅する取り組みを強化しています。さらに、国際水産業界の透明性の改善を目的とする複数の国際NGOが集う「グローバル・トランスパレンシー・コアリション」の運営理事を務めています。