皆さんこんにちは。シーフードレガシーCEOの花岡和佳男です。
海洋環境における社会課題は近年ますます複雑化・多様化し、業界・行政・市民社会による協働強化の重要性は日に日に高まっています。同時に、国内では近年、漁業法の改正や水産物流通適正化法の成立といった大きな進展が見られ、より生産現場目線での課題解決が必要になってきています。
そこでこの度、漁業科学部を独立、法人化するとともに、新会社「株式会社UMITO Partners(ウミトパートナーズ)」の代表取締役社長に当社取締役副社長である村上春二が就任、事業展開を行う運びとなりました。なお、村上はこれをもって当社の取締役副社長を退任いたします。
詳細:漁業・科学部独立と新規法人設立のお知らせ
日本に本社を構える複数の国際水産企業が協働して海洋に関する環境持続性や社会的責任を追求していく、そのイニシアチブが発揮される環境を国内で整えることが大切だと、シーフードレガシーは考えます。そのために水産企業にだけでなく、大手小売や飲食チェーン企業に対しては水産物のサステナブル調達を実現するための支援を、また投資機関・銀行に対してはいま関心が高まりつつある海洋におけるESGファイナンスに関する支援を行います。さらに、それぞれのセクター間をつなぐ、非競争連携プラットフォームの設計・運営を継続します。
業界とサステナブルシーフード・ムーブメントの両輪をなす行政の活性化も欠かせません。シーフードレガシーの複数のメンバーは、関連する複数の政府委員会で専門委員を務め、漁業法の改正や水産物流通適正化法の成立に携わり、持続性を追求する水産政策の審議や調整に貢献しています。同時に、国内外の専門NGO、シンクタンク、財団などと連携し、世界各地から情報を収集して、未来志向の水産政策を加速させるべく提言を続けます。
業界や行政のイニシアチブを紡いでムーブメントに編み込み、ムーブメントの発展を可視化し、多くのステークホルダーが積極的に参加する仕組みをつくることも、シーフードレガシーが重きを置いている活動の一つです。私たちは、サステナブル・シーフードに特化したイベントとしてアジア最大級に成長した「東京サステナブルシーフード・サミット(TSSS)」を毎秋主催し、サステナブル・シーフードの未来をつくる海のイノベーターたちを紹介するオンラインメディア「シーフードレガシー・タイムズ」を運営しています。
水産業における環境持続性や社会的責任の追求は、日本でも、いや、どこよりも海と密接に関わってきた日本だからこそ、達成を皆で祝い合える日を迎えることができると、私たちは確信しています。ソーシャルエンタプライズである当社はこれからも、未来世代に対しての責任を本気で果たそうとするパートナー組織を全力でサポートし、多くの海外事例に学びつつ日本に適した解決策を共に形づくることで、持続する豊かな海の実現に貢献して参ります。
新法人「株式会社UMITO Partners」と共に、新生シーフードレガシーを、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。