2018年に設立されたワールド・ベンチマーキング・アライアンス(World Benchmark Alinance、以下WBA)は、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に説明責任のある、世界で最も影響力のある2,000社を評価する非営利組織です。弊社も、アライアンスメンバーの一員として参画しています。この度、WBAが世界の大手水産企業30社を持続可能性に関する観点から評価した調査「Seafood Stewardship Index」を公表しましたのでお知らせいたします。
<以下、WBAから出されたプレスリリース(シーフードレガシー仮訳)>
世界の6億人が生計の一部またはすべてを漁業や養殖業に依存しています。また、水産物は世界で生産される動物性タンパク質の17%を占めています。
水産物は海洋の生物多様性に最も影響を及ぼすものであり、カーボンフットプリントの少ない動物性タンパク質の選択肢でもあるが、持続可能な水産物の管理は、海を保護し、健全性を回復させなくてはいけません。
水産業界は、より健全な海の生態系を築くために透明性を向上させる必要があります。
今回の調査では、水産企業は信頼性のある目標を設定し、その進捗を透明性をもって報告する必要があることがわかりました。評価対象となった企業のうち、環境、トレーサビリティ、社会問題すべてにおいて信頼性のある目標を設定していた企業はわずか16%でした。さらに、全ての水産物を環境的に持続可能な資源から調達するという意欲的な目標を持ち、その目標に向けた進捗を報告している企業は全体の4分の1以下でした。
違法・無規制・無報告(IUU)漁業は乱獲や環境の劣化を加速させています。それに加えて、特に発展途上国の漁業者や沿岸のコミュニティの暮らしをも脅かしています。世界の漁獲量の約20%がIUU漁業からのものと推定されていますが、評価対象の企業の中で自社のオペレーションやサプライチェーンのIUUリスクを評価しているのは3社のみで、その評価結果を公表している企業は一社もありませんでした。
WBAのネイチャー・トランスフォーメーション・リーダー、ヘレン・パッカーは次のように述べています。
企業の最優先事項は、自らのリスクと影響を評価することです。現在、多くの企業は自社の影響を十分に理解していないようです。しかし、その影響を理解することは、より公正で持続可能な未来への適切な行動を決定する上で欠かせません。企業は水産製品が合法に漁獲され、倫理的に生産され、環境的に持続可能であることを保証するため、漁船から食卓まで水産物の流れを遡及する能力、つまりトレーサビリティを向上させるべきです。
ますます多くの企業がトレーサビリティへの取り組みを公言しています。これらの取り組みが実質的な意味を持つためには、企業はそれらがどのように実行されているかをより透明にしなければなりません。現在は、調査対象企業の3分の1以下の企業しかトレーサビリティ・システムに関する情報を公開しておらず、世界的に認知されるトレーサビリティ基準の実施に積極的に努めているのはわずか4社だけでした。
私たちは4年間、世界の水産業界を評価してきました。ある進展の進展はあったものの、まだ十分な取り組みはなされていません。水産業界はさらに迅速な行動を起こす必要があり、ステークホルダーは企業に説明責任を求めるべきです。
水産業界は、人権侵害や労働権侵害のリスクの高いセクター
調査対象企業の3分の1が人権デューデリジェンス(人権DD)の導入を開始しており、これは2021年と比べて3.5倍の数だ。ししかし、多くの企業はHRDDの実施において進展を見せていません。
水産業界が、持続可能で公平な未来をつくるための一役を担うためには、大手企業は誰一人取り残さないよう、人々を転換の中心に位置づけることが急務です。
Seafood Stewardship Indexの詳細は、こちらでご確認いただけます
<問い合わせ>
Emily Cooper/エミリー・クーパー(英語対応のみ)
メール: emily@forster.co.uk
電話 +44 0203 833 4774
ワールド・ベンチマーキング・アライアンスについて
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