サステナビリティはスタンダード 北米水産市場トレンドを実感
こんにちは。株式会社シーフードレガシー チーフコミュニケーションオフィサーの有川真理子です。2024年3月10日から12日に、ボストンで開催された北米最大の水産イベント、Seafood Expo North America (SENA)2024に初めて参加してきました!
右も左も認証ロゴ!
弊社のCEO、COO、スタッフも例年参加し、事前に「サステナビリティの訴求がすごいよ」と何度も噂は聞いていたのですが、実際に参加してみて確かにその広がりを実感しました。
SENAの見どころの一つは多くの水産企業が出展するブースエリア。その数、約960。広い会場を歩きまわったおかげで、毎日7500歩を超えるいい運動になりました。
美味しそうな試食もたくさん!
早速、ブースエリアに足を踏み入れてみると、水産エコラベルのロゴを掲示するブースをすぐに見つけることができました。歩みを進めると、一つどころか二つも三つも掲示しているブースがずらり。最初は嬉しくて写真を撮っていたのですが、だんだん撮りきれなくなるほどでした。
複数の認証ロゴが掲載されたブース
サステナビリティの取り組みについて質問すると「XX認証を取得している。サステナビリティへの配慮は必須。卸、消費者からのニーズがある。消費者は正しいことをしたいと思っているのだから当然だよ」と一様に同じ趣旨の答えが返ってきました。ただし「ニーズの度合いは国によって違う。米国、欧米は強い。アジア圏はまあまあ」という声も。
出展企業の多くは営業目的のため、ブースに立っているのは販売担当がメインなのですが、それでもサステナビリティについて質問すると、戦略にはじまり、「漁業者のためにアパートを用意して、住環境にも配慮している」「(養殖の際)なるべく薬をつかわないようにしている」など具体的なエピソードを語る人もいました。一方、ある日本企業のブースでは「販売担当なのでサステナビリティはわからない」「今回は北米グループ企業のPRをしており、サステナビリティについては訴求していない」とそっけない回答。当たりが悪かったのか、何か戦略があるのかもしれませんが、サステナビリティがマストといっても過言ではないイベントでこの対応は機会ロスであり、ともすればリスクではないかと感じました。
一部だけをみて全てを語ることはできませんが、どこを切っても金太郎飴のように「サステナビリティ」が出てくるほど、日本の水産市場が成熟しているとはまだ言い切れないのかもしれません。今後の宿題を強く感じました。
ステークホルダー同士の白熱議論
女性の登壇者が多いのも特徴の一つ
SENAのもう一つの魅力は、同時開催されるセッション。サステナビリティに関するものも多く、筆者も6セッションほど参加してきました。トレーサビリティーや人権デューディリジェンス、IUU(違法・無報告・無規制)漁業、サステナビリティに関する消費者トレンド、ジェンダーといったさまざまなテーマに、企業だけではなくNGOや非競争連携組織のみなさんが積極的に意見を交わしているのが印象的でした。
あるセッションでは、NGOや過去に人権侵害を受けた漁業者から企業に対し、厳しい指摘が出されたのですが、企業側は「まだ完璧ではないがサプライチェーン全てを把握すべく、努力している」と回答。難しい問題であっても、ステークホルダー同士が、真摯に向き合って意見を交わす場の存在が北米市場の成長につながっているのではないかと思わされました。
See you again in TSSS2024!
TSSS2024 PRボードを手に多くの皆さんの写真を撮影させていただきました
今回の出張の目的はもう一つ。今年10周年を迎える東京サステナブルシーフード・サミット2004(2024年10月8から10日開催)のPRでした。すでにTSSSをご存知の方も多く、「おめでとう!」「楽しみだね!」と声をかけていただきました。早くもボストンでお会いしたみなさんと東京で再会するのが楽しみです。
弊社CEO 花岡和佳男のSENA2024レポート「【世界のムーブメント】 北米最大の水産見本市『Seafood Expo North America』(SENA)に行ってきた」もぜひご一読ください。
文/Chief Communication Officer 有川真理子